飲食業のサービス残業問題

レストランや居酒屋でも飲食業は24時間オープンしているお店が多いにもかかわらず、不景気により人件費削減が求められため、従業員や店長は長時間労働を強いられがちです。
ある大手居酒屋チェーンでは、残業手当や深夜手当を支払わず、未払い分の総額が約5億円に上ったため、社長ら幹部が書類送検される事態まで発展しました。
また、大手ハンバーガーショップの店長が、残業代の不払いについて会社を訴え、勝訴した事例もあります。
このとおり、飲食業サービス残業問題はニュースソースとして取り上げられることが多いです。

 

レストランや居酒屋の店長を悩ませる飲食業サービス残業問題は、なぜ頻繁に起きてしまうのでしょうか。
それは、雇用者側が労働基準法を巧みに利用しているからです。

 

労働基準法では「監督もしくは管理の地位にある者」は労働時間についての規定の適用はないとされています。
この法令を元に経営者側は、店長を管理職と位置づけて、時間外手当を支払わないのです。
たしかに、レストランや居酒屋の店長は、店舗において従業員を雇ったり、勤務時間を決めたり、アルバイトの時給を決める権限を有していますので、当然、管理職と考えられます。

 

しかし、労働基準法上の管理職とは、「労務管理等に関して経営者と一体的な関係にある」としています。
つまり、労務管理において店長に経営者が有する権限と同等の権限が与えられなければ、店長は管理職と呼べないのです。
店長は自分に対して時間外手当を支払う権限を持っているのか考えれば、その権限がないことが分かります。飲食業サービス残業問題は、経営者側の労働基準法に対する認識違いから生じているとも言えるのです。