運送業のサービス残業問題

運送業の場合、指定された時間までに品物を運ばなければならないため、運転手が早めに出発し、納品先近くで待機するケースが多いです。
この待機時間については、みなし労働時間として処理されるため、残業手当がつきません。
これは運送業サービス残業の一例であり、他にも運送業サービス残業はあります。

 

 

多くの運転手は会社の信用にかかわるとして、自主的に早めの行動をしがちであり、始業時間前に準備をしてから運送をはじめます。
この準備は時間外労働でありますが、ほとんどのケースで残業代が支払われることがありません。
しかも、競争激化が進む運送業では高速道路などの有料道路を使えない事情もあり、なおさら、運転手は早めの準備をせざるを得ません。

 

実質的に長時間の労働が発生しているにもかかわらず、サービス残業として処理されてしまいます。
また、運送業には片づけの仕事も派生します。
納品先から会社の倉庫に戻った頃は、すでに所定労働時間を超えているケースが多いです。帰社してから片づけの仕事をしなければならないのですが、この労働に関してもみなし労働時間としてカウントされますので、残業代はつきません。
片付けの仕事に関しても運送業サービス残業のひとつといえます。

 

しかし、運送業に関しては、みなし労働時間制が認められないケースもあり、運転手側が残業代の支払いを訴えて、勝訴した例も多いです。
それは、運送業が「労働時間を算定しがたいとはいえない」からです。
乗車記録の残るタコメーターもありますし、会社から納品先までの距離と時間も事前に測れますので、労働時間は算定可能であり、裁判所がみなし労働時間制を認めない判決を下すことは多々あります。